ヴァンプはカーホロだった

「カーホロ(Kāholo)」はフラで最初に習うステップです。たとえば、右足を右横に出し、次に左足をその右足に添えて2ステップ。これをもう一度繰り返して合計4ステップでひとまとまり。このカーホロは別名「ヴァンプ(Vamp)」とも呼ばれます。これは、フラソングなどを演奏するときのあの「ヴァンプ」です。

「山内雄喜のカーホロ論」(『ハワイ音楽ゆるゆる気分』山内雄喜・笹尾としかず共著に収録)では、「ヴァンプはフラには欠かせないもの」であり、「各歌詞の句読点的役割を果たしているのがカーホロ、つまりヴァンプ」であるとして、「ヴァンプは2小節の短い楽器演奏によるフレーズでありながら、前奏、曲のくぎり、曲のつなぎ、そして、後奏にもなる。」と解説しています。

カーホロの基本の4ステップが2小節のヴァンプに対応しているということなんですね。

山内さんの「カーホロ論」では、ヴァンプがハワイアン音楽の中でどのように発展または展開して来たかを論じています。とても興味深い内容ですので、機会があればぜひご一読を。

教室ではたとえばキーCのヴァンプを |D7/G7|C| と説明していますが、「カーホロ論」ではこの3つのコードを使うヴァンプの前によりシンプルな |G7|C| という2コードのヴァンプがあったのではと想定しています。

一つの考えとしてはこうであろう。 |G7|C| はスラック・キー・ギターが誕生した19世紀に使われていたもの。 一方、|D7/G7|C| は、20世紀にハワイアンがアメリカに渡り、アメリカの中でハワイアン・ミュージックが開花した20世紀以後、ジャズの影響もあり、よりモダンな響きとして取り入れられた。 (中略) まとめると、|G7|C| はシンプル、|D7/G7|C| はモダンということになるが、両者の使い分けはハッキリとしていない。どちらのヴァンプを使うかは、その時のアレンジによるところが大きい。(「山内雄喜のカーホロ論」より引用)

また「カーホロ論」では、シンプルとモダンの中間的なものとして、チャールズ・E・キングの曲集にはサブドミナントのコードを使った |F/G7|C| という例も見られると紹介もしています。興味深い!

わずか2小節のヴァンプですがとても奥が深いですね。同じコード進行でも、実際に演奏する際には、リズムやテンポなどを変えることで、多彩な味付けが可能です。つまりは「アレンジ次第」ということですね。